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カスタマージャーニーマップの作り方|無料テンプレートと失敗しない6つの手順

タジケン

タジケン

テクラル合同会社

#カスタマージャーニーマップ#ペルソナ設定#顧客体験#マーケティング戦略#テンプレート#プロダクト開発#ワークショップ#KPI
カスタマージャーニーマップの作り方|無料テンプレートと失敗しない6つの手順

顧客の離脱を防ぎ、自社プロダクトのファンを増やすには、顧客の行動と感情の動きを正確に把握することが不可欠です。カスタマージャーニーマップを作成すれば、ユーザーがどの段階で迷い、どこで不満を抱えているかを可視化し、的確な改善策を打てるようになります。

本記事では、実務ですぐに使える無料テンプレート(フォーマット)を活用しながら、失敗しないカスタマージャーニーマップの作り方を6つの手順で具体的に解説します。具体的な企業の事例も交えてステップバイステップで説明するため、初めて作成する方でもスムーズに進められます。

カスタマージャーニーマップ作成前の準備:ペルソナ設定

カスタマージャーニーマップ作成の前提となるペルソナ設定のイメージ

マップの精度は、前提となるペルソナの解像度に大きく左右されます。カスタマージャーニーを設計する上で、単なる「30代・男性・会社員」といった表面的なデモグラフィック情報だけでなく、日々の業務で抱えている課題、情報収集に使う媒体、意思決定の基準となる価値観までを具体化することが重要です。

解像度が低いままマップを描き始めると、チーム内で顧客の行動に対する解釈が分かれてしまいます。「このペルソナなら、この場面で具体的にどのキーワードで検索するか」「誰に相談するか」をチーム全員が即答できるレベルまで解像度を引き上げましょう。

精緻なペルソナをゼロから作成するには多大な工数がかかります。最近では、生成AIを活用して初期のペルソナ像を素早く壁打ちする手法も一般的です。効率的に作業を進めたい場合は、プロンプトエンジニアリングとは?生成AIの精度を劇的に高める5つの実践アプローチ などを活用して、顧客のインサイトを深掘りするための土台を構築することをおすすめします。

無料テンプレートを活用したタッチポイントの可視化

カスタマージャーニーマップのテンプレートを用いて顧客接点を可視化するイメージ

顧客が自社のプロダクトやサービスを認知し、購入や導入に至るまでの道のりは決して一直線ではありません。この複雑なプロセスを可視化し、どの段階でどのようなアプローチが最適かを判断します。

ゼロからフォーマットを作成すると工数がかかるため、ここではカスタマージャーニーの作成に役立つテンプレートを提示します。Excelやスプレッドシート、あるいはMiroやFigmaなどのホワイトボードツールに以下の項目をコピー&ペーストして、チームのワークショップで埋めていく手法が効率的です。

実務で使えるカスタマージャーニーのテンプレート構成案

横軸に「顧客の購買フェーズ」、縦軸に「顧客の体験と自社のアクション」を配置した標準的なテンプレートの例です。

フェーズ 認知 情報収集 比較検討 購入・導入 継続利用(リテンション)
顧客の行動 業務課題を認識し、解決策を検索する 具体的なツールやノウハウ記事を読む 複数ツールの資料をダウンロード・比較 社内稟議を通し、契約手続きを行う 実務でツールを使い、効果を測定する
タッチポイント SNS広告、Web検索、ウェビナー オウンドメディア、比較サイト 営業担当との面談、無料トライアル 契約管理システム、導入サポート担当 カスタマーサクセス、FAQサイト
思考・疑問 「今のやり方は非効率だ。何か良い方法はないか?」 「このツールの機能は自社の課題を解決できるか?」 「他社ツールとの違いは?費用対効果は合うか?」 「社内承認をスムーズに通すにはどう説明すべきか?」 「もっと便利に使いこなす設定はないか?」
感情の起伏 不満・焦り 期待・好奇心 迷い・不安 安堵・達成感 満足(あるいは新たな不満)
自社の課題 ターゲット層へのリーチ不足 製品の強みが伝わっていない 導入後のROIがイメージさせられていない 稟議を通すためのサポート資料が不足 活用支援(オンボーディング)の不足
施策・アクション SNSでの認知拡大キャンペーン実施 導入事例記事の拡充とSEO強化 費用対効果シミュレーターの提供 稟議用テンプレート資料の無料配布 チュートリアル動画の配信・定期面談

失敗しないカスタマージャーニーマップの作り方6つの手順

ここからは、BtoBのSaaSプロダクト(特定の業務課題を解決するツール)を想定しながら、失敗しないカスタマージャーニーマップの作り方をステップバイステップで解説します。

1. マップ作成の目的とペルソナの合意

最初のステップは、作成目的の明確化とペルソナの合意です。 既存サービスの課題発見・改善が目的なのか、それとも新規事業のアイデア創出なのかによって、洗い出すべきタッチポイントが変わります。

  • 具体例:「BtoB SaaSプロダクトの無料トライアルから本契約へのコンバージョン率(CVR)を改善する」という目的を設定します。ペルソナは「従業員50名規模の中小企業で、特定の業務をエクセル管理することに限界を感じている30代の担当者」とします。

新規事業の立ち上げフェーズで顧客体験を設計する際は、ユーザー中心の思考法を取り入れることがマップの質を高める近道です。その基礎となる考え方については、デザイン思考とは?5つのプロセスとビジネスで使える実践ポイントで詳しく解説しています。

2. 顧客の行動プロセスの洗い出し

横軸となるフェーズ(認知、情報収集、比較検討、導入、継続利用)を定義し、各フェーズでペルソナがどのような行動をとるかを時系列で整理します。

  • 具体例:情報収集フェーズでは「『労務管理 クラウド 比較』で検索して記事を読む」「同業他社の人事に評判を聞く」、比較検討フェーズでは「3社の無料トライアルに登録し、初期設定のしやすさを試す」といった具体的な行動を洗い出します。

3. 各フェーズでの思考と感情の深掘り

複数部門のチームメンバーでワークショップを行いカスタマージャーニーマップを作成する

行動プロセスに沿って、ペルソナの頭の中にある疑問や感情の起伏を深掘りします。感情が大きく動く「真実の瞬間(Moment of Truth)」を見極めることが重要です。

  • 具体例:無料トライアル登録時(比較検討フェーズ)に、「初期設定が複雑で、従業員データをインポートする段階で挫折感(ネガティブな感情)を抱いている」というインサイトを特定します。

4. タッチポイントの特定

顧客と自社(あるいは競合・第三者)が接するタッチポイント(接点)をフェーズごとに特定します。Webサイトや広告だけでなく、営業担当との会話や操作画面のUIも重要なタッチポイントです。

  • 具体例:無料トライアル中のタッチポイントとして、「チュートリアル画面」「サポート窓口のチャット」「初期設定完了を促すステップメール」などを列挙します。

5. ワークショップ形式での合意形成

マーケティング担当者だけで作成すると、推測に偏るリスクがあります。営業、カスタマーサポート、開発など、顧客と接する他部門のメンバーを集め、ワークショップ形式で作成することが推奨されます。

各部門が実際の顧客対応履歴やアンケート結果などの一次情報を持ち寄ることで、顧客のリアルなペイン(悩み)を正確に捉えられます。対立した場合は、「設定したペルソナであればどう感じるか」に立ち返って判断を下します。

6. アクションプランとKPIへの落とし込み

完成したマップは、具体的なアクションプランに落とし込んで初めてビジネス価値を生み出します。各タッチポイントにおける課題と、自社のビジネス目標(KPI)を連動させます。

  • 具体例:「初期設定での挫折」という課題に対し、「エンジニアチームがデータインポート画面のUIを1ヶ月以内に改修する」「カスタマーサクセスが初期設定サポートのウェビナーを毎週開催する」という施策に分解し、KPIとして「トライアル開始後3日以内のデータ入力完了率を20%向上させる」と設定します。

継続的な運用とアップデート体制

カスタマージャーニーマップは、一度作成して完成ではありません。市場環境や競合の動きが変われば、顧客の行動プロセスも変化します。そのため、継続的にアップデートすべき「仮説の集合体」として運用する必要があります。

施策の成果が頭打ちになったときや、新しい競合サービスが登場したタイミングで見直しを図りましょう。また、設定したKPIと実際の顧客行動にズレが生じていないかを定期的に分析し、初期の仮説が現在も有効かどうかを客観的なデータに基づいて検証します。営業やカスタマーサポートなど、最前線のフィードバックを反映させる運用フローを構築することがプロジェクト成功の鍵です。

よくある質問

カスタマージャーニーマップの作成や運用について、実務の現場でよく寄せられる疑問とその回答をまとめました。導入を検討する際の参考にしてください。

カスタマージャーニーマップの作成にはどのくらいの期間がかかりますか?

プロジェクトの規模や関係者の数にもよりますが、一般的にはペルソナ設定からワークショップの実施、マップの完成まで2週間から1ヶ月程度が目安です。本記事で紹介したようなテンプレートを活用することで、ゼロから項目を考える時間を短縮できます。

BtoBビジネスでもカスタマージャーニーマップは有効ですか?

はい、非常に有効です。BtoBビジネスは検討期間が長く、関与するステークホルダー(担当者、決裁者、現場の利用者など)が複数存在するため、それぞれの行動や感情を可視化することで、適切なタイミングでの営業アプローチやコンテンツ提供が可能になります。

マップを作成した後の具体的な活用方法を教えてください。

作成したマップは、Webサイトの導線改善、マーケティングオートメーション(MA)のシナリオ設計、営業資料のブラッシュアップ、カスタマーサクセスのオンボーディングプロセスの見直しなど、あらゆる顧客接点の最適化施策に活用します。

まとめ

本記事では、顧客体験の向上とプロダクトの成長に不可欠なカスタマージャーニーマップの作り方について、具体的なテンプレートと6つの手順を交えて解説しました。

ペルソナの解像度を高め、フェーズごとのタッチポイントを可視化し、複数部門でのワークショップを通じて共通認識を醸成することが重要です。そして何より、作成したマップを具体的なアクションプランに落とし込み、市場の変化に合わせて継続的にアップデートし続ける運用体制が、ビジネス成果の最大化につながります。

この記事を書いた人

タジケン

タジケン

テクラル合同会社

一部上場企業を経て広告代理店に入社し、デジタルマーケティングの知見を深める。現在はテクラルにて、数千万規模の大型案件でプロジェクトリードを担当。KPI設計や広告運用などのマーケティング領域から、AIを活用したシステム開発の導入支援までプロダクトの成長を一気通貫でサポートしている。本ブログでは、事業フェーズに合わせた実践的なノウハウをお届けする。

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