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医療のDX化事例5選|病院のデジタル化推進ポイントと課題を解説

タジケン

タジケン

テクラル合同会社

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医療のDX化事例5選|病院のデジタル化推進ポイントと課題を解説

医療DXの代表的な事例としては、①電子カルテの統合・標準化(聖路加国際病院ほか)、②オンライン診療プラットフォーム(curon〈クロン〉等)、③AI画像診断支援(富士フイルム等)、④病院情報システムの刷新(NTTデータ等)、⑤処方箋のデジタル化(電子処方箋)があります。本記事ではこれらの実名事例を軸に、医療DXの全体像・課題・推進ポイントを解説します。

医療DXとは

DXはデジタルトランスフォーメーション(Digital Transformation)の略です。医療DXとは、電子カルテやAI・クラウドなどのデジタル技術を活用して、診療業務・患者体験・病院経営のあり方そのものを変革する取り組みを指します。

単なる「紙のカルテをデジタル化する」だけにとどまらず、データ連携・業務自動化・遠隔医療など、医療提供の構造ごと見直す点が特徴です。厚生労働省は全国医療情報プラットフォームの整備や電子カルテ情報の標準化(FHIR対応)を政策として推進しており、国全体での取り組みが加速しています。

医療DXの概念図

医療DXの成功事例5選【実名・具体内容あり】

事例1:聖路加国際病院の電子カルテ統合・地域連携

東京都中央区の聖路加国際病院は、電子カルテシステムの整備と地域医療連携ネットワークへの参画を進めてきた先進病院として知られています。患者の診療情報・検査結果・処方履歴を電子的に一元管理することで、院内の重複検査を削減し、紹介先・逆紹介先の診療所とも情報をスムーズに共有できる体制を構築していると報告されています。電子カルテの標準規格(HL7 FHIR)への対応が、将来の全国プラットフォーム接続へのステップとなります。

事例2:オンライン診療「curon(クロン)」の普及

株式会社MICINが提供するオンライン診療プラットフォーム「curon(クロン)」は、全国の医療機関に導入されており、患者がスマートフォンで予約・診察・処方薬の受け取りまでを完結できるサービスです。2020年の新型コロナウイルス感染拡大を契機に、初診からのオンライン診療が時限的に解禁され、特に慢性疾患管理や花粉症・皮膚科などの分野で普及が加速しました。通院負担の軽減と院内感染リスクの低減という2つの課題を同時に解決した代表例です。

事例3:富士フイルムのAI画像診断支援「SYNAPSE SAI viewer」

富士フイルム株式会社は、AIを活用した医療画像診断支援ソフトウェア「SYNAPSE SAI viewer」を提供しています。胸部X線・CT画像をAIが解析して異常陰影の候補を提示する機能を持ち、医師の読影業務を支援します。2021年には薬事承認を取得しており、国内外の医療機関への導入が進んでいます。放射線科医の人手不足が深刻な地方病院でも読影精度を維持できる手段として注目されています。

事例4:NTTデータの病院情報システム(HIS)刷新

NTTデータは大規模な病院向けに統合型病院情報システム(HIS)を提供しており、電子カルテ・オーダリングシステム・医事会計・物流管理を一体化した基盤の構築支援を行っています。クラウドベースのHIS移行を支援する取り組みも公表されており、レガシーシステムの保守コスト削減と、ベンダーロックインからの脱却を求める医療機関のニーズに応えています。

事例5:電子処方箋の全国展開

厚生労働省が主導する電子処方箋制度は、2023年1月に本格運用が開始されました。処方箋をマイナンバーカードと連携した電子データとして発行・管理することで、薬局での重複投薬チェックや患者の服薬履歴管理が容易になります。2025年度末までの全国普及を目標に、参加医療機関・薬局数が拡大中であることが政府資料で確認できます。

医療DXの導入事例

医療DXで解決できる課題

医療DXが求められる背景には、現場が抱える複合的な課題があります。

  • 人手不足と長時間労働:医師・看護師の慢性的な不足。AI活用や業務自動化により、記録作業・画像読影などの負荷を軽減できます。
  • 紙ベースの非効率な情報共有:電子カルテ・電子処方箋の普及で、医療機関間のリアルタイム連携が可能になります。
  • 地域間の医療格差:オンライン診療・遠隔読影により、専門医が少ない地域でも高度な医療へのアクセスが改善されます。
  • レガシーシステムの高コスト維持:クラウド型HISへの移行で、保守コストの削減とシステムの柔軟な拡張が実現します。

医療現場の課題

医療DXを推進するための5つのポイント

1. 現場課題を起点に目的を明確にする

システム導入ありきでなく、「何の課題を解決するか」を先に定義します。上記の事例でも、curonは通院負担・院内感染、富士フイルムのAIは読影人材不足という明確な課題への解答として機能しています。

2. スモールスタートで段階的に拡大する

特定の診療科や業務に限定して試験導入し、フィードバックを反映しながら拡大する進め方が定着率を高めます。

3. 標準規格(FHIR等)への対応を確認する

厚生労働省が推進する電子カルテ情報の標準化(HL7 FHIR)に対応したシステムを選ぶことで、将来の全国医療情報プラットフォームへの接続が容易になります。

4. 医療情報セキュリティガイドラインを遵守する

患者の医療情報は最上位の機微個人情報です。厚労省・総務省・経産省が共同で策定した「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン(第6.0版)」に準拠したシステム選定とアクセス権管理が必須です。

5. 現場スタッフへの研修と継続サポート

新システムが定着するかどうかは、現場の医師・看護師・事務スタッフの習熟度に大きく依存します。導入初期の集中研修に加え、操作マニュアルの整備・ヘルプデスクの設置など、継続的なサポート体制の構築が不可欠です。

システム導入のポイント

医療DXの今後の展望

2025年以降、医療DXは以下の方向へ進化が見込まれます。

  • PHR(個人健康記録)の普及:マイナンバーカードと連携した健診・服薬・予防接種記録の個人管理が拡大し、予防医療・セルフケアへの活用が期待されています。
  • 生成AI・大規模言語モデルの医療応用:診療記録の自動要約、患者への説明文書の自動生成など、生成AIの実用化が進みつつあります。
  • 遠隔手術・ロボティクス:5G通信を活用したロボット支援手術の遠隔化が研究・実証段階にあります。

これらの技術が普及するには、規制整備・セキュリティ基準の確立・医療従事者の教育が並行して進む必要があります。

まとめ

医療DXは「デジタル化すること」が目的ではなく、医療の質・効率・アクセス性を同時に改善するための手段です。

本記事で取り上げた5つの事例(聖路加国際病院の電子カルテ統合、curonのオンライン診療、富士フイルムのAI画像診断、NTTデータのHIS刷新、電子処方箋の全国展開)は、いずれも明確な課題解決の意図を持って推進されたことが共通点です。

自院の医療DXを検討する際は、まず「どの課題を解決するか」を明確にし、標準規格への対応・セキュリティ・現場教育を並走させながら、スモールスタートで着実に進めることが成功への近道です。

この記事を書いた人

タジケン

タジケン

テクラル合同会社

一部上場企業を経て広告代理店に入社し、デジタルマーケティングの知見を深める。現在はテクラルにて、数千万規模の大型案件でプロジェクトリードを担当。KPI設計や広告運用などのマーケティング領域から、AIを活用したシステム開発の導入支援までプロダクトの成長を一気通貫でサポートしている。本ブログでは、事業フェーズに合わせた実践的なノウハウをお届けする。

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